2018年3月25日

四十九日とは

「四十九日で親戚一同あつまるから、その前に綺麗にしておきたい」

という理由で墓石洗浄とコーティングのご依頼をいただくことがあります。

さて、四十九日とはそもそもどんな意味があるのか、みなさんは考えたことがありますでしょうか。

「昔から決まってるから」とか「なんとなくそういう習慣だから」とか・・・。

先日、寺フェスで訪れた町田の祥雲寺にその答えが刻まれた石碑があったのでご紹介したいと思います。

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写真ですと読みにくい方もいらっっしゃるかと思いますので、テキストに転記します。

石碑の文と同じ内容なので写真で読める方は読み飛ばしてください。

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十王とは冥界(仏の世界)における十人の王で、死者の生前の善行・悪行により裁判をし、その死者の行くべき世界をさだめるものとされていました。

その十人の王とは、秦広王・初江王・宋帝王・五官王・閻魔王・変成王・泰山王・平等王・都市王・五道転輪王です。

特に閻魔王は、地獄で悪を裁くものとして伝えられています。

私たちは死後七日目ごとに善悪の裁きを受け七七日忌(四十九日)を済ませ、さらに百ヶ日、一周忌、三回忌と進んで行くと説かれています。

この七日ごとに尋ねていくのが十王様です。

残された家族や親戚、親しかった人々はこの日ごとに法要や読経、墓参りをいたし、亡き方のご無事をお祈りしてきました。

また、自分たちも極楽に行きたいと願う心からこの十王様をおまつりするのです。

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七日ごとに七回も裁かれるとは大変ですね。

そのうち最初の一回目が初七日、最後の七回目が四十九日です。

四十九日は、ご家族が亡くなってから、いろいろなことが一区切りする時期であり、特に大切な法要とされています。

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そして、その間おお忙しいのが十王様たち。

その中でも閻魔様は有名ですし別格なのか、石像でもより大きく造られています。

中央のあたりの一回り大きいのが閻魔様です。

その閻魔様より大きく目立っているのが奪衣婆です。

一番手前なので大きく見えるのですが、それを考慮しても圧倒的な存在感!

祥雲寺の石碑によると、奪衣婆とは

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三途の川のほとりにある衣領樹の下にいて、亡者の衣類を剝ぎ取って樹上の懸衣翁に渡すという老女の鬼婆です。

懸衣翁はその衣類を衣領樹の重さ、つまり枝のしなり具合で罪の軽重を定めるといいます。

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亡者の衣類を剝ぎ取る鬼婆、って怖いですね。

閻魔様に裁かれる前に通る所なので、善人・悪人関係なく着ているものを剥ぎ取られるようです。

まさに鬼婆。

しかし懸衣翁なる者がいるとは知りませんでした。